満月の夜異世界へと繋がりました
眼を覚ますと一瞬何処にいるのかわからなかった
ここは・・・・?
あたしは確かあの男の子に麻袋で治療をして・・・・それから?

「美結!!起きたのか?」
「王子・・・・あたしは?えっとここはまさか」
「俺の部屋だ、とりあえず宮廷医に見てもらったが身体的には大事はない・・・・ただ魔力の使い過ぎで枯渇しかけて倒れたんだお前はここに運ばれてから三日も目を覚まさなかったんだぞ」


え・・・・・?み、三日?!
あれから三日も経ったってこと?あたしそんなに眠ってたんだ


「美結・・・・俺がどれだけ心配したかわかっているのか」
「王子・・・・・「何故だ?何故俺から逃げ出した?」
「・・・・・」
「俺のことが嫌いになったのか?」
「そ、そんなことない!!「だったら何故だ?俺はお前のことを誰よりも思っているのに」


切なそうな王子の言葉が耳に刺さる
あたしと王子は母が違うけれど父を同じくした兄と妹かもしれない
言葉が出かかったけれどどうしても言えなかった
あたしは・・・・このことを知ったら王子は・・・・


「美結、俺はお前のことを妃にしたいと思っている、お前は・・・・」

王子の言葉に、妃と言う言葉にぴくりと反応する
妃?このあたしが王子の奥さん?
普通の一般人の平民の奥さんなら二つ返事で頷いたであろう
でも彼はこのリルモンド帝国の王子であり次期国王になる人
好きって気持ちだけでは無理がある
あたしが王妃?なんの教養も礼儀作法も知らないこのあたしが?
頭の中を色々な思いが駆け巡っていると外にいる衛兵の声が突然響いた

「お、王子!!失礼します、ご無礼をお許しください!」
「なんだ?「へ・・・・陛下が、国王陛下がまた倒れられました!」
「なんだと?魔法師が治癒魔法を施していたのではなかったのか?」
「はい・・・・ですが原因がわからないらしく魔力を注いでも一向に改善しないらしく」


「もういい、わたしがやる!!」
「え?ですが王子様にはご公務が「あたしがやってみます!!」
「・・・・は?美結?」
「あたしが治癒魔法をかけてもいいでしょうか?」


気が付いたらそんな言葉を発していた
命を助けたい・・・・
もしかしたらあたしのお父さんであるかもしれないひと
頭の片隅に過った思いはそんなことだった




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