満月の夜異世界へと繋がりました
「駄目だ!やっと体調が戻ったとは言え無理をするな」
「でも・・・・」
「この国の魔法師は優秀なものがそろっている、きっと父上も回復するから心配するな、それよりも原因がわからないとはどういうことだ?!」
「王子様、実はお食事の後急に苦しみだして「は?苦しみだした?毒見はしているのだろう」

「もちろんです、毒見役がすべての献立の毒見をして問題はなかったのです!なので問題ないと判断してお召し上がりいただきました」
「あの・・・・ちょっといいですか?」
「は、はい「今日の昼食でなにかいつもと変わったメニューを出しませんでしたか?」

あたしが咄嗟に頭に浮かんだもの
アナフェラキシーショック、食べ物や薬などでおきるアレルギー反応のこと
たしか意識が低下したり蕁麻疹や嘔吐なんかの症状が急に起こるんだったはず
国王陛下はもしや何かの食べ物でアレルギーを起こした可能性がある?

「はい・・・・今日は確か東方から持ち込まれた蕎麦粉で作られた汁物をお出ししました陛下はその蕎麦なるものを大変気に入られて召し上がられました」

「蕎麦・・・・・たぶんそれが原因かもしれないです」
「・・・・・は?美結?」
「王子!陛下の治療をさせていただけませんか?」
「だが美結は病み上がりではないか」
「大丈夫です!あたしに出来ることをしたいんです」


とは言ったもののあたしに出来ることは治癒魔法を使えることくらい
治癒魔法だったらこの国の魔法師さんたちのほうがよほど優秀かもしれない
だけどあたしは出来ることをやってみようと思った
あたしは悪いところが魔法で見えるようになったからいけるんじゃないかと思う
あたしの考えに間違いはない、たぶんこれはアレルギー反応を起こした
国王陛下は蕎麦にアレルギーがあるはず!
だけどあたしはお医者様ではないから確定はできないけど・・・・

「美結・・・・父上を頼む、俺も補佐をしよう」

王子の言葉に頷くと国王陛下の寝所に足を踏み入れる
不思議な使命感があたしの心を支配していた
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