満月の夜異世界へと繋がりました
「俺にもよくわからぬ…ただ我が国の魔法省の長官が気になることを言っていた」


彼、リルモンド帝国皇太子オリバーエストランドさんが言うには数日前から夜空の星に異変が起きていたらしい


この国の守護星と言われる星の隣に
突然現れたもう一つの守護星
言い伝えによるとこの星が現れた時にはリルモンド帝国に富と平和、幸福をもたらす女神が現れるであろうと昔から言われているらしい
だから、いつ現れるのかと国中が湧きったっているんだとか
で…鏡でこうして繋がったことといったい何の関係が?もしかして…まさか


「数日前に突然現れたもう一つの守護星、そして鏡で繋がったそなた…
ある意味偶然とは思えぬ」


鏡の中の彼はそうつぶやくとじっとあたしの姿を見つめた、一瞬ドキリとしたあたしはふいに口角を上げて
微笑む彼に目を奪われた


「まあ、俺が想像する女神とは違いずいぶんとふくよかな女神だがな」


「な…!「よくわからぬがそなたが女神だという確信がまだ何もない…ただひとつ言えることはこの鏡からは膨大な魔力を感じる、俺が言えるのはそれだけだ」


その言葉を呟くと彼の姿は鏡の中から忽然と消え去っていた




< 26 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop