満月の夜異世界へと繋がりました

オリバーSide


リルモンド帝国
我が国は四方を海に囲まれた広大な土地を持ち海の幸山の幸に恵まれたこの世界でも有数の魔法国家だ

俺はその帝国に生を受け、王である父と正妃である母の元に生まれた
当然ながら生まれながらにして俺は将来王となることを当たり前のこととされ子供の頃から英才教育を受けてきた。


周りはすべて父の配下であり当然ながら息子である俺にも敬意を払う
耳障りの良い言葉を並べたて俺に向かって苦言を発する家臣などこの国には恐らくいないであろう

まあ、幼馴染の友人数人を除いては…


そんな俺がふとしたことで出会った不思議な女…
突然鏡で繋がった異世界の女だった
第一印象は小太りでお世辞にも綺麗とは言えない女、長い黒髪と顔を隠すようにした長い前髪
見たところそれ程醜いと思えないのに何故そのように顔を隠すのかいささか気になったのだが…


鏡の中の女は俺に媚びるような素振りも見せず色々な話を俺にしてくれ
てその話がどんな友人との会話よりも楽しくワクワクするような時間だった

こちらの貴族の御令嬢などと話ていても会話など数分も、持たないであろう俺


だが鏡の中の女、美結はまるで違っていた