満月の夜異世界へと繋がりました
「今更なんだけど王子の名前って何て言うの?」

ある日の夜、美結は俺が思いもしないことを言い放った

……は?
今、なんて言った?名前?
そう言えば俺は言ってなかったのか?
そんなはずは…?と怪訝に思いながらも思わず笑みを浮かべずにはいられなかった。

突然繋がったせいもあり自分のことを言う暇もなかったのかも知れない
でも俺の国内には王子である自分の名前を知らないなどと言う人間はまずいないであろう


可笑しくてたまらない
もっと可笑しいのはこれだけ度々会っていながら突然名前を聞いてくることだ、こんな人間は俺の周りには
まずいない


我が国でもし俺の名前を知らない奴がいたら王子である自分ではなく他の奴にそっと聞くはずだ
でも美結はそんなことをするはずもなく素直に俺に疑問をぶつけてくる


なんだか妙に嬉しくなり満面の笑みを浮かべて答えた

オリバーエストランドだと…
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