満月の夜異世界へと繋がりました
マイクSide

「はあ~っ」

魔法省を出た途端もの凄く大きなため息をついてしまった…
私は魔法省の主任を任されている
その為業務は多岐に及ぶのだが疲れているのは自分の仕事ではなく王子のことである
実はこの頃王子の機嫌がすこぶるよくない、原因は満月の時に現れる女性美結さんがその不機嫌の原因である
何故か彼女はここ最近姿を表さない
鏡の中の彼女が忽然と消えたのだ
幾ら満月の夜、待ってみても彼女は姿を表さないのだ 
当然の如く王子であるオリバーは荒れた…例えて言うならピリピリして
触るに触れない感じで下手なことは
幼馴染の俺ですら言えない感じなのである、今日も今日とて胃の痛い日々…

どうしてこんなことに…何か俺達が気に触るような事を言ったのだろうか?美結さん…君は一体何処に?
途方に暮れ夜空を見上げていると耳に響いてきたのはひとりの男の声
やけに慌てている様子だが何かあったのだろうか

「あ、もしやお城で働いてる方ですか?」

「そうだ魔法省の者だが何かあったのか?やけに慌てているようだが」


「ちょうど良かった!今、俺の連れが腹痛で突然倒れちまって魔法省の人が治療してるんです!で、誰かひとっ走り人呼んで来いって頼まれまして」


「わかった、何処だ案内してくれ」


こんなことは魔法省に勤務しているとさほど珍しくはない
まあ、私がこんなふうに出向くのは久々なのだが…
今日は魔法省も夜の勤務は無い日だったかな、などと思いながら男の後を着いて行った











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