満月の夜異世界へと繋がりました
長期間守護魔法を掛けていると起こる弊害、そんなこと思いもしなかった。主任によると貴族や王族でも守護魔法は身近なものらしいが自分の屋敷などにいる場合は大概結界が張られている為掛けるのは稀なんだとか、王様や王子などは行事や外出の時は掛けているらしいがあまり普段は掛けないものみたい
まあ、王族の人達の場合きちんと警護の者が大抵ついているからあまり守護魔法事態は使わないらしいのだ
が今回の美結の場合は見たところかなり以前から掛けられているよう
で……

「こればかりは本人に聞かなければわかりませんが美結さんの身体には何らかの不調があったはずです、守護魔法も万能ではない!長期間守護されることによって身体と魂に歪みが生じます…一刻も早く魔術を解かなければ!」


主任の言葉に何も言えなくて無力なあたしはただ話を聞くことしか出来なかった、美結の守護魔法を解くにはあたしでは無理だ!余程の高位魔力の持ち主でないと…ぐっすり眠る美結の柔らかな髪をそっと撫でていることしか出来なくて深いため息を吐くしかなかった。


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