満月の夜異世界へと繋がりました
「い、いただきます」

あたしは今、リルモンド帝国の王子の部屋であろうことか食事をしております。今更だけど王子って未来の国王陛下なんだよね、その人を目の前にサンドイッチを頬張る平民のあたしってこれって許されないことなんじゃ?無礼者!とかって成敗されたりしないよね?なんて色んなことが駆け巡る、しかしお付の侍女さんとか警護の騎士の視線が痛いのなんの…ってかこっちの世界にもサンドイッチってあったんだ~なんて思いながら只ひたすら食べるのに集中していた


「美味いか?その卵サンドは美結の話を参考に作らせたものでな、今では城内での一番人気のメニューでもある」

王子の話に驚きを隠せない
だってもの凄く美味しかったから…
びっくりしたのがあたしの大好きな物を覚えてくれていたこと…
チラッとしか話さなかったのに…
あたしは懐かしい味に心も身体も満たされたような気がしていた
でも、何から何まで彼に甘える訳にはいかないと思ったあたしは王子の部屋にお泊りは丁重にお断りさせて貰う
マ−シ−さんのところに戻ろうかと
思ったんだけど王子の必死の説得に根負けして別に部屋を用意してもらうならってことでお泊りすることに
王子と一緒の部屋はあり得ない
だってベッドひとつしかないよね?
あたしは王子がかなり落胆していたことなど知る由もなく怒濤の一日に疲れ果てその日はぐっすりと眠りについた
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