満月の夜異世界へと繋がりました
な、なんだ?今の感覚は?
ま、待て!それよりも美結は?
俺は自分の身体に起こったことを後回しにしてア−サ−に問いかけた

「美結はどうしたんだ?なんだか少し顔色が悪いようだが…大丈夫か?」


「ここへ来る前、治療をしたせいで魔力切れを起こしたが大丈夫だ心配ない」


……は?魔力切れだと?!
平然と言ってのけるア−サ−にあ然とするしかなかったがすぐに俺の頭を過ぎったのは魔力を補給しなければならないということで……俺の考えなぞお見通しであるかの目の前のこいつはちらりと俺を一瞥するとポツリと呟いた


「俺が魔力を補給したから大丈夫だ」

「……?!」


「変な嫉妬は止めろよ?俺はあくまで彼女を救いたかっただけなんだからな!」


「わ、わかってる…」


心が見透かされたような気がしたが俺は動揺を隠せなかった
魔力を直接補給すると言うことは彼女に触れたと言うこと。
キスやそれ以上のことを美結にしたと言うことに他ならない
美結を抱きしめるア−サ−の姿が頭に浮かんで仕方ない
唇を噛み締めたまま彼女の寝顔をそっと見つめるしかなかった


「今は疲れてぐっすり眠っているだけだが彼女を連れて来たのは訳がある」


「あ?訳とは…なん…」


言いかけたア−サ−から視線を逸らして彼女を見ると俺は驚きのあまり
声を失った

守護…魔法?!
な、なんで異世界から来た美結が?
それもちょっとやそっとの守護魔法
ではない!これは!?






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