満月の夜異世界へと繋がりました
「え?と…しばらく泊まれってここに?え、でもあたしはマ−シ−さんと…」


「彼女にはもう話してあるから心配するな」


そう微笑みながら言う王子
いや~これって問題ありでしょ
なんでこんな話になったかと言うと
突然の王子の一言から始まった
あたしが魔力量の測定や戸籍の登録の話をしたところこんな話になってしまって…まあ、それ自体はさほど時間はかからないらしいんだけど…
王子の口から思いもしない言葉が耳に響いてきてその場に縫いつけられたように固まってしまう

「美結、泊まってほしいと言ったのには訳がある、実は君の身体には魔法が掛けられている」


え…?ま、魔法?
だ、誰って言った?
なんかあたしの名前が聞こえてきたけど…


「大丈夫か?美結!」

「だ、大丈夫!王子、もう一度話して!なんか魔法がどうのって聞こえて来たけど…」


「美結!よく聞いて!君の身体には俺の見たところ幾重にも守護魔法が掛けられてる」


「守護…魔法?…」


「そうだ守護魔法と一緒にたぶんまやかしの魔法も俺が見たところ掛けられているだろう」


頭の中が混乱していた
だってあたしが日本に暮してる限り魔法の類に接することは皆無に等しい。誰が何故?何処で?
一体何の為に?

「美結…大丈夫か?」

「あ、うん…大丈夫だよ!ただびっくりしちゃって…」


「すまない…驚かせてしまったかな
ただ美結のことが心配だったから…」


そう答えると王子の大きな手があたしの頬をスルリと撫でて柔らかな笑みを浮かべていた




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