日本一のヤクザ幹部は、本当は私を溺愛している。
「七尾会七尾 始様並びに
如月組組長を初めとして
全員が揃われました。」


そう言って頭を下げる黒服が1人。


その横には1番上座で和服の男が
偉そうに座っている。


実際この中で一番偉い。


今は、七尾会会長を含めた
如月組幹部の食事会。


月一度の報告会が始まろうとしている。



七尾会長が赤い杯を掲げる。


それに合わせて幹部6人と若頭、組長、
全員が杯を掲げる。


七尾が軽く杯を上げて
口元に勢いよく運ぶ。


それに合わせて俺達も杯を口元に運び
呑む。


1回で飲み込める量のその酒は
ただの開始の合図、
そしてケジメだ。


七尾がカーン!と音を立てて杯を置く。


俺達も小さい音を立てて杯を置く。


「さぁ、無礼講じゃ、」


にぃ、と笑った七尾に
あぁ、またか、と気が遠くなる。
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