日本一のヤクザ幹部は、本当は私を溺愛している。
会長がそう叫んだ瞬間
入口の障子が開き、芸者が入ってくる。


見た目麗しい芸者たちは
それぞれ幹部たちに
1人から2人が着く。


豪華に飾られられている女は
会長や組長に侍る。


「よろしくお願いします。」


チラリと見ると綺麗な芸者が1人
横で正座して頭を下げている。


ピッピっと手を振る。


「いらん。」


「え、」


振られた芸者が戸惑ってる。


あぁ、新人だったか。


顔なじみの芸者に顔を向けると
ニコッと微笑まれる。


「たえちゃん」


顔なじみの芸者が新人に声掛ける。


「あ、はい」


「たえちゃん、鹿妻さんはいいのよ」


「え、」


「俺は女は買わん。
俺の横の人を相手しろ」


そう言うとたえと呼ばれた芸者は
頭を下げて、横の幹部の元へ行く。


俺はそのまま女も侍らせず
高級食と最高級の酒を消費していく。


「おいおい悠月。
その歳でお前の息子は不能か?」


そう話しかけてきたのは
1番下座に座る俺より1個上に座る幹部
松岸(まつぎし)さん。


御歳53でこの中で3番目に若い。


俺ともう1人、
俺達2人は異例の年齢で松岸さんも
幹部の中では若い方だと言える。
< 11 / 14 >

この作品をシェア

pagetop