日本一のヤクザ幹部は、本当は私を溺愛している。
もうすでに空が白み始めた頃に
ようやく幹部会はお開きになった。


わいわいガヤガヤとしている後ろ、
他の幹部を見ると金の受け渡しをしている。


やい、勝っただの負けただの
言っていることから
俺の賭けの結果だろう。


くそじじい共め。


「鹿妻さん」


「瀬谷か」


瀬谷は俺が幹部候補となった最初から
ずっと着いてきてくれた部下だ。


初めは親父か兄貴か、どっちでしょう?
とか意味のわからんことを抜かしてきて
1発殴ったのを覚えてる。


なんの嫌がらせで
年上に親父か兄貴呼びされねぇと
いけねぇんだよ。


「妃瀬 宏輝様からお電話です。」


その言葉に幹部全員が軽く反応を見せる。


俺は携帯を受け取ると車に乗り込む。


保留音を消し声をかける。


「悠月です。」


「やぁ、朝から悪いね悠月。」


飄々とした声。


寝てなかったのだろうか
そんな気配を感じさせない声だ。


「いえ、構いません。
どうされました?」


「あぁ、朗報だ」


「朗報?」


「うん。桃華が今日退院するよ。」
< 14 / 14 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:5

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
白苑式/著

総文字数/145,894

恋愛(キケン・ダーク)299ページ

表紙を見る
初恋に捧げる私の恋の歌
白苑式/著

総文字数/25,968

恋愛(キケン・ダーク)36ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop