幼馴染みの彼はずるい人
番外編 幼馴染みの彼女は嘘つきな人
最近、俺の幼馴染が嘘をつくようになった。
 俺の幼馴染み片森雛乃は昔は元気で素直で明るい奴だったのに、中学に入ってからか俺と距離を取るようになった。
 不思議に思い本人に直接聞こうとしても避けられる。
 向こうは意識してやってんのかそれとも無意識でやってんのか俺には分からない。
 最初に言おう。
 俺は雛乃が好きだ。
 昔から誰よりも可愛くて輝いていて保育園の頃には絶対に結婚すると決めて親にも言った。
 そこでまさかだと俺は思った。
 俺を無視しているのはもしかして俺を意識しているからなのかと。
 やっとここまで来たかと、そう思うと嬉しかった。
 俺も距離をおこうとしていた時期があった。
 しかし変に思われたくなくて平然を装った。
 ある日、友人同士の遊びで負けた奴が女装するという罰ゲームをした。
 その日は俺の家で遊ぶ約束をしていて女装した友人と俺は先に家に向かった。
 そこを雛乃に見つかった。
 俺は雛乃に気が付いていたが、隣りの友人は気づいていなかった。
 雛乃は来た道を戻って行った。
 この時、確信はしたが胸のあたりがズキリと痛んだ。
 俺達はもうすぐ受験で俺は雛乃が行くところを受けようとしたが、雛乃は頑なに教えてくれなかった。
 雛乃が行く場所が分からなければ俺が言えるわけがない。
 だから雛乃の両親と俺の両親に協力してもらったが、詳しい高校名までは聞けなかった。
 そんなある日、進路の相談で職員室に行った時たまたま担任が雛乃の進路希望の紙を見ていた。
 盗み見た俺は先生に雛乃と同じ高校の名前を言った。
 一応両親に確認を取る。
 「ダメかな?」
 どうしても雛乃と一緒がいい。
 「いいわよ。でも生半可な気持ちは許さない」
 母親の言葉に父親も頷いていた。
 それからは勉強を前よりも頑張った。
 行けるか行けないかのギリギリのラインだったから。
 結構辛かったけれどまた雛乃と一緒にいられる、同じ学校に通えると思ったら頑張れた。
 受験当日、俺は雛乃にバレないように会場に向かった。
 バレたら俺の計画は終わる。
 雛乃には俺が受験する学校は言っていない。
 受験が終わって合格したら告白しようと考えていたから。
 今ここでバレてしまったら計画がおしまいになる。
 行きも帰りも雛乃とは違う車両に乗った。
 家付近の道で出会って久々に一緒に帰った。
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