極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています
結貴side
結貴side
「社内カフェの利用者数が、この二週間で上がってきています」
執務室で仕事中、アランからの報告に顔を上げた。
「たった二週間で?」
「はい。文香さんの提案でウエルカムドリンクのサービスをはじめて、それを楽しみに利用する社員が増えているようです。そのぶん原価が上がって利益率は下がりましたが、来店数がどんどん伸びているので全体的な収益は増えています」
「すごいな」
「利用者のアンケートも集計しましたが、ご覧になりますか? 『おすすめのメニューを教えてくれるのがいい』『ウエルカムドリンクでめずらしいお茶が飲めるのがうれしい』『店員さんと話すのがお昼の楽しみだ』『店員さんの笑顔に癒される』『店員さんがかわいい』……」
「いや、後半!」
タブレットに表示されたアンケートを読み上げるアランを睨む。
わざと俺が嫉妬するような回答ばかり選んでるだろ。
「なんにしろ、文香さんを引き抜いて大正解でしたね」