極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています
「だって、ほいくえんのおともだちには、パパもママもいるもん! パパとママといっしょに三人でねんねしてるっていってたもん! みらいだって、みらいだって……っ!」

 結貴の服に顔をうずめ、今まで抑えこんでいた感情を爆発させるように叫んだ。
 声をあげて泣く未来に、私は言葉が出なくなる。
 
そんな私の前で、結貴は泣き続ける未来を抱き上げ、とんとんと優しく背中をたたく。

「今日がとっても楽しかったから、もう少し一緒にいたいんだよね」

 わがままを言う未来を怒ることなく優しく語り掛ける結貴に、未来はうつむいたままうなずいた。
 ひっくひっくと肩を揺らしながら、力いっぱい結貴の服を掴んでいた。

「わかった。今日は未来ちゃんが寝るまでここにいるから」

 そう言った結貴に私が顔を上げると、視線だけで『大丈夫」と微笑む。

「だから、安心して寝ていいよ」

 柔らかい声で言いながら、ゆっくりと背中をなで続けると、未来の呼吸が落ち着いてきた。

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