極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています
「文香はすごく頑張ってるよ。ひとりで頑張りすぎて見ていて心配になるくらい。だから、文香が未来ちゃんに愛情を注ぐ分、俺が文香を愛して甘やかしてもいい?」

 結貴は甘く囁きながら、涙でぬれた私の目じりをそっとなでた。
 その長い指がゆっくりと頬をなぞり顎をすくいあげる。
 
 さっきの不意打ちのキスとは違い、今回は結貴がキスをしようとしているのがわかった。
 
 だけど、まっすぐにこちらを見つめる結貴の瞳から、目をそらすことができなかった――。
                
                    




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