極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています
 誰にも祝福してもらえない恋だと諦めて自分から手放した。
 
 こうやって笑顔で祝福してもらえるなんて、夢にも思っていなかった。

「愛してるよ、文香」

 結貴がそう言って、私の左手の薬指にマリッジリングをはめてくれた。

「五年越しのプロポーズがようやく叶って幸せだよ」
「私も、幸せすぎて夢を見ているみたい」

 見つめ合うと、結貴が我慢できないとうように私を抱き寄せキスをする。

 突然のキスに驚いて目を丸くした私を、結貴がお姫様のように抱き上げた。
 思わず「きゃ!」と悲鳴を上げて結貴の首にしがみつく。

「文香が愛おしすぎて、一生誓いのキスをしていたい気分だ」

 結貴が私を抱き上げたまま、額に頬に唇に、キスの雨を降らせた。
 それを見たみんなはくすくすと楽しそうに笑っていた。

「みらいもだっこ!」

 ぴょんぴょんと跳ねてねだった未来に、結貴は「おいで」と手を伸ばす。

 結貴は私の体を地面に下ろし、右腕で私を左腕で未来を抱きよせた。

「だいすきだよ、パパ」
 
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