極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています
 あなたと結婚して一生そばにいたいよ……。
 
 でも、それが許されないことは、ちゃんとわかってる。
 
 
 結貴は持っていた指輪のケースを床に置くと、立ち上がった。
 
「結貴……」
「悪いけど、その指輪は文香が捨ててくれ」

 そう言い残し彼が部屋を出ていく。

 ひとりきりになった私は指輪が入ったケースを抱きしめ、声を上げて泣いた──。
                   
       


      





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