極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています
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保育園に未来を迎えに行き、家に帰り食事の支度をする。
ご飯を食べてお風呂に入り、洗濯機を回しながら未来の髪を乾かしていると、あっという間に寝る時間になる。
「未来、そろそろお布団に行こうか」
和室に敷いたお布団にふたりで並んで横になり、お話ししながら眠りにつくのが我が家の日課だ。
保育園での出来事や、祖父のこと。
ときには絵本を読んだり、昔話を聞かせたりもする。
「ママ、きょうはパパのおはなしをして」
そうねだられ、心臓がとくんと跳ねた。
「パパのお話?」
「うん。パパとママが出会ったときのおはなし。だめ?」
未来は私と結貴の話を聞くのが大好きだ。
大きな瞳をキラキラさせてこちらを見上げる未来を、ぎゅっと抱きしめる。
「いいよ。パパとママはね、大学生のときに出会ったの。パパはかっこよくて頭もよくて近くの学校に通っている人ならみんな知っている有名人で、ママとはなんの接点もなかったんだけど――」