極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています
無邪気な未来に微笑みながら、祖父はおしゃれな箱に入ったお菓子を取り出した。
雑誌やテレビで見たことがある、動物性食品を極力排し玄米や豆乳、野菜を使った体に優しいスイーツだ。
「わぁ、かわいい……!」
未来は目をキラキラさせていた。
我が家じゃ到底手が出ない上質なお菓子は、色や形、包装まで洗練されていて美しい。
それにしても、どうして結貴がまた祖父のお見舞いに来たんだろう。
私が首をひねっていると、祖父は未来のためにお菓子の個包装を開けながら話を続ける。
「葉山さんにお見舞いに来ていただくばかりじゃ申し訳ないからなにかお礼をしたいと言ったんだ。そうしたら、日本に帰ってきたばかりで食事の相手がいなくて寂しいらしくてね」
その話の流れはなんだかいやな予感がする。
思わず身構えると、祖父はにこやかに私の予想どおりの言葉を投げてきた。
「できたら文香と未来と一緒に食事がしたいって」
「みらいもゆうきさんとごはん食べたい!」