私の彼は魔王様
『ちっ!花梨っ 来い!』


皇は金色の瞳を怒りで細めてあたしに怒鳴った。


『はっ!はいっ!』



『あっ、あのっ』
『なんだ?』
『目の色、金色だよ?みんなに見られたら...』




『ああ。』

不意に皇がキスをしてくる。


『んっっ。』


軽く唇を合わせるだけの優しいキスをして。



『クールダウンだ。』



と言って笑う皇に見とれていたあたしは、この幸せがずっと続くと思っていた。





思っていた、のに。
< 137 / 181 >

この作品をシェア

pagetop