私の彼は魔王様
『悪いお姫様だ。』


蓮があたしの耳朶を軽く噛んだ。



銀色の髪があたしの顔に柔らかく掛かる。




『んっ、やだ。 おう。』



蓮の整った眉が一瞬寄せられた。


『兄上は来ないよ。来れるはずない。』




悔しくて涙が滲んだ。
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