私の彼は魔王様
蓮の指先がドレスのボタンを一つずつ外す。



『やだっ!変態、離せっ!』

『これはとんだお姫様だ。兄上も物好きな。』




蓮は手を止めない。




『あたしの初めては皇なの!バカッ!!』



『皇!』



涙が伝って枕に落ちた。




『皇!』



(皇じゃなきゃ、皇じゃなきゃ。)


その言葉だけが私の頭の中でぐるくる回る。




『皇っ!!!』





あたし 皇の事好きなのに。素直に言えば良かったな。半分諦めて体の力を抜いた。







その時。
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