私の彼は魔王様
その時。




あたしの右手に柔らかくて暖かい物がそっと押し付けられた。



見るとさっきのものすごい大きな黒い犬がいつの間にか横に伏せている。どうやらその犬の鼻先が触ったらしい。


『花梨様。』


(犬って喋るの?)



『花梨様。』





『あっ、はいっ!』




私は犬に向かって返事した。
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