私の彼は魔王様
(そうだ。俺はよく従者に小言を言われては王宮の裏の森に逃げ込んでいたっけ。)



『みんな だいっきらいだ。』


『ぼくは まおうになんてなりたくないよ。れんがなればいいのに。』



『あれ?だれかいる。』



(そうだ。ここで俺は、花梨に出会った。)




肩まで伸びるふわふわの茶色の髪、表情豊かな顔、泣きそうな俺を心配してくれた。



そして、




『きれいな きんいろのめ』



そう言って笑ってくれた。
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