ふわふわパウダー
「ねぇ、ねぇ。見た?日下くん!」
セミロングの少女が言います。見るからに元気そうです。
「志保ったら、また日下くん?」
それを呆れたように見つめるのは、ポニーテールの子。如何にもお姉さんタイプ。しっかりしてそうです。
「いいじゃん、好きなんだから。瞳は興味なさすぎ」
志保は瞳に向かって、ヘヘッと笑いました。
「1人の人によく続くよね~。マリカ的に有り得ないんだけど~」
ふわふわパーマの子が言いました。整った顔立ちとスタイル抜群の容姿。
パッと見はモデルの様。
「マリカちゃんはモテるもんね」
小さくそう言ったのは、内気そうな女の子。メガネに2つに束ねた三つ編み。
部活前だと言うのに、もう材料の準備をしています。
「由季、ごめん。手伝うよ」
瞳が慌てて、由季の持ってるボウルを取ります。
「2人も手伝って。うちらが今日は準備当番なんだから」
瞳に言われて、志保とマリカも手伝い始めました。

「ねぇ、今日って何作るのかな」
「マドレーヌだよ」
「先週言ってた」
「日下くんにあげようかなぁ」
「マリカの分も志保にあげるぅ」
「ほんと!?」
「ダイエット中だしぃ」
「あんた、まだ痩せるの?」






きゃあきゃあと、いつまでもお喋りは絶えません。

さあ、4人の少女の恋物語を召し上がれ。
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