ふわふわパウダー
「日下く~ん」
調理室の窓からグラウンドに向かって、あたしは叫んだ。
黄色の「9」と書かれたゼッケンを付けている彼が、気付いて手を振ってくる。
「もぉ~、超幸せ」
窓の縁に手をついて、あたしは前後に揺れた。
「飽きねーな、お前」
ボウルの中の材料をかき混ぜながら、あっきーが話しかけてきた。
あっきー…小野寺 彰。
は、あたしのクラスメートであり、同じ部。顔は強面だし、背ぇ高くてガッチリ系なのに、将来の夢が「パティシエ」という個性派。
実はマリカのことが好きなんだけど、それはマリカ以外の公然の秘密というやつで。
あたしとは類友ってゆーか、恋バナ友達って関係。
「っつかさ、見てないで活動しろよ。何部だお前?」
あっきーがボウルを押しつけてきた。
「調理部!兼、日下くんラブ部!!」
泡立て器を動かしながら、あたしは答える。
「何だそれ」
その時、窓の外から声がした。
「東~」
きゃー、来た!!
ボウルを持ちながら、窓に駆け寄った。
日下くんは、髪の先が濡れて汗の臭いをさせていた。
「何作ってんの?」
「えっとね、カップケーキ。チョコチップ入りの」
「へーっ。美味そう」
日下くんは、あたしのかき回す生地を眺めた。
調理室の窓からグラウンドに向かって、あたしは叫んだ。
黄色の「9」と書かれたゼッケンを付けている彼が、気付いて手を振ってくる。
「もぉ~、超幸せ」
窓の縁に手をついて、あたしは前後に揺れた。
「飽きねーな、お前」
ボウルの中の材料をかき混ぜながら、あっきーが話しかけてきた。
あっきー…小野寺 彰。
は、あたしのクラスメートであり、同じ部。顔は強面だし、背ぇ高くてガッチリ系なのに、将来の夢が「パティシエ」という個性派。
実はマリカのことが好きなんだけど、それはマリカ以外の公然の秘密というやつで。
あたしとは類友ってゆーか、恋バナ友達って関係。
「っつかさ、見てないで活動しろよ。何部だお前?」
あっきーがボウルを押しつけてきた。
「調理部!兼、日下くんラブ部!!」
泡立て器を動かしながら、あたしは答える。
「何だそれ」
その時、窓の外から声がした。
「東~」
きゃー、来た!!
ボウルを持ちながら、窓に駆け寄った。
日下くんは、髪の先が濡れて汗の臭いをさせていた。
「何作ってんの?」
「えっとね、カップケーキ。チョコチップ入りの」
「へーっ。美味そう」
日下くんは、あたしのかき回す生地を眺めた。