隣のキミをもっと溺愛、したい。
び、びっくりした!


「天野、大丈夫?」


「う、うんっ、大丈夫っ!」


早まる鼓動を隠して
笑顔をつくる。


「ごめんな、
こんな遅い時間までつきあわせて」
 

そう言って柔らかく笑った一ノ瀬くんの
手のひらが、
ふわりと頭に乗せられて

小さく飛び跳ねた。


「ぜ、全然大丈夫だよっ。
それより、練習、お疲れ様でした!

これ、一応記録したんだけど、
正直自信はなくて」


「いいよ、こんなのただのコウジッ…」


「こうじ?」


「なんでもない」


パッと目をそらし、
窓の外へと視線を送った一ノ瀬くんに

ノートを手渡す。
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