隣のキミをもっと溺愛、したい。
「お守り、あるよ?」


ふわりと微笑む一ノ瀬くんに、
周りの視線が集まる。


「あ、うん」


すると、巫女さんが私たちの姿を見て、
可愛い花びらの絵柄のお守りを手にとった。


「良縁守りはこちらです」


色とりどりの花ビラがあしらわれた
可愛いそのお守りに目を見開く。


か、可愛い!

でも、……良縁?

違う違う!

このつながれている手には、
深い意味とか、全くないので!


自分でも理解できないこの状況に
大きく動揺しつつ、

お父さんとお姉ちゃんのために
安全祈願のお守りを買った。
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