隣のキミをもっと溺愛、したい。
一ノ瀬くんは
そういう周りからの熱視線に
全然気が付いてないしっ!

私はもう、緊張して、はずかしくて
どうしたらいいかわからないよっ。


「一ノ瀬くん、あのね、 
えっと、この手のことなんだけど!

私があんまりにどんくさいから、
おばあちゃんを介護する感じなのかな?

それともやっぱり、なにかの罰ゲーム?
それとも願掛け? え、でもどんな?」


もう、自分でもなにを言っているのか
全くわからなくなってきた。


「とにかく! 
私たちが手をつないでいるのは
なぜなのでしょうか!」


提灯の温かな灯りに
一ノ瀬くんの綺麗な横顔が優しく揺れる。


「手つなぐの、嫌だ?」


小さく笑う一ノ瀬くんの余裕が怖い。


「嫌じゃないけど」


「じゃ、いいじゃん。行こ」


「あ、うん」


って、流されない自分!

しっかりと自分をもって!
校長先生も朝礼で言ってたし!


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