隣のキミをもっと溺愛、したい。

「あのね、
一ノ瀬くんが普通に話す女子は、
羽衣だけだからね？」


「私は席が隣だから」


うん、ただそれだけだ。


「でも、羽衣ちゃん、よく一ノ瀬くん関連の
頼まれごとしてるでしょ？

私もこの前頼んじゃったし。

やっぱり、一ノ瀬くんと
まともにやり取りできる女子って、
羽衣ちゃんだけなんだと思う」


「そうなのかな？」


朝歌と叶奈ちゃんの話に
首をかしげる。


「一ノ瀬くん、
部活で疲れてるだけで
なにも考えてないような気がするよ？」


「でも、羽衣ちゃんと話してる時だけは
一ノ瀬くん、笑うよね」


「一ノ瀬くん、笑ってる？」


「「うん、笑ってる」」


声をそろえて答えた朝歌と叶奈ちゃんに
頭を悩ませる。


うーん…
一ノ瀬くん、笑ってるのかな？

笑われてる？

いや、
苦笑い…的な？

こ、これから気を付けようっ。


「一ノ瀬くん、
女子には返事しないことも多いから
反応してくれるだけ貴重だよ」


「そうだね、
他の女子と羽衣は違うよね！」


「うん、羽衣だけ例外的」


おおっ！

私だけ、特別?

と、思っていると。