隣のキミをもっと溺愛、したい。

目が覚めると。

【羽衣side】

うっすらと霞む視界に入るのは
白い天井に、蛍光灯の黄色がかった光。


波のように揺れるカーテン。


ずいぶんと長い間
眠っていたような気がしたけれど、

そんなに
長い時間じゃなかったのかもしれない。


手や足を動かしてみるけれど、
なんだか自分の体じゃないみたい。


体中がギシギシときしんで、

どこからくるのかわからない
鈍い痛みに顔をゆがめる。


「羽衣！」


その声に
頭を起こそうとするけれど。


　「……うっ、痛いっ」


ズキズキと頭の奥から響く
するどい痛みに強く目をつぶった。



「羽衣！　ここがどこかわかるか？
よかったっ、目が覚めた！　
ホントに、良かった！」



ぼんやりと目に映るのは
……礼くん？


あれ、どうして、
礼くん、泣いてるんだろう？