隣のキミをもっと溺愛、したい。
「……鷹島先輩は、
天野とどういう関係なんですか」


「お前、羽衣からなにも聞いてないんだな」


呆れたようなその言葉に、
カッと頭に血が上り、

鷹島に尖った視線を向ける。


すると、イスを蹴飛ばすようにして
立ち上がった鷹島に

胸ぐらをつかまれた。


「おい、一ノ瀬、

こんなときに
くだらない嫉妬なんてしてんじゃねえぞ?

羽衣がこんな状態なのに、
お前、ホントいい加減にしろよ。

言っただろ、
俺にとっても『大事な羽衣』なんだよ。

羽衣に付き添うのは
俺にとっては当たり前のことなんだよ。

なんで学校で一番騒がれてるお前が
羽衣に興味を持ったのかわからない。

けど、あんたが羽衣に近づく限り
今後もきっとこういうことが起こる。

今回はたまたま運がよかっただけだと、
俺は思ってる。

羽衣のことは、
これでおしまいにしてほしい。

自分のことしか考えられないあんたに、
羽衣は守り切れないよ」


「……鷹島先輩なら、
天野を守れるんですか」


睨みつけるように、
鷹島をまっすぐ見据えると

余裕の表情で鷹島が答える。


「俺は、守るよ。
一ノ瀬に言われなくても。
羽衣を守るのは俺の役目だと思ってる」


「俺だって、天野のことをっ」


言い終わらないうちに、
鷹島にさえぎられた。


< 164 / 276 >

この作品をシェア

pagetop