隣のキミをもっと溺愛、したい。
休み時間、
トイレに行ったはずの叶奈ちゃんが
血相を変えて教室に飛び込んできた。


「羽衣、やばいよ!
鷹島先輩が、羽衣のこと呼んでる!」


礼くんが?


「礼くん、どうしたの?」


突然教室に現れた礼くんに驚きながら
礼くんを見上げる。


「無事?」


「うん?」


無事って、どういう意味だろう?


「むしろ、礼がくると落ち着かないよ。
ほら」


突然の礼くんの登場に
ざわつく教室を指さした。


すると、なにを思ったのか
礼くんが扉に手をかけながら、
大きな声を出した。


「すいません!

羽衣、ぼーっとしてるんで
色々迷惑かけること多いと思いますが、

よろしくお願いします!

羽衣、俺の遠い親戚なんです。

病み上がりで、
いつも以上にぼーっとして
迷惑かけることもあると思うんで

ちょっと注意して見守ってやってください!

また危ないことがあるかもしれないので!」


一気にそれだけ伝えると、
礼くんは誰にともなくペコリと頭を下げて、
キラースマイルを残して去っていった。


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