隣のキミをもっと溺愛、したい。
「茶髪で、めちゃくちゃニコニコしてる先輩。
なんか、裏はありそうな感じだけど。

とにかく華やかで目立つ先輩だから、
見たらすぐわかる」


ニコニコしてて、感じがいい?

ニコニコとは程遠い、
あのときの鋭い瞳を思い出す。


「それよりさ
天野さん、ちっこくて可愛いし、
さばさばしてて友達多そうじゃん。

案外、あっさり
彼氏作っちゃうタイプだぜ。

知らぬ間に彼氏が出来て、
ある日突然、彼氏と登校♪ なんてな」


「焦らせんなよ」


「いや、もう少しお前は焦れ。
そして、そのコミュ障気味なところを直せ」


「天野といると緊張して、
まともに話せないだけだよ」


「でも、お前、
他の女子とは全く話さねえだろ?」


「それは単に興味がないから」


「……ひどいな」


「いいんだよ、
天野以外にどう思われようと」


「相変わらずはっきりしてるよな。

でも、女子怒らせると、
マジで怖いから気をつけろよ」


「知るか」


「ま、頑張れよ。
お前の変質的な片想い、
楽しませてもらうから。

ほら、顔が赤くなってんぞ、キラくん♪」


「その名前で呼ぶな。
つうか、足りないからパン、買ってくる」


伊集院を非常階段に残して、
購買に向かった。


< 70 / 276 >

この作品をシェア

pagetop