この溺愛、絶対ナイショです♡

帰り際、景斗くんを思いきって誘った。

「観覧車乗ったの覚えてる?」

「ああ」

「観覧車がてっぺんに行ってからの記憶が無いの。全く思い出せない。何かあったの?」

景斗くんは複雑な表情をした。

わたし、何かやらかしたのかな?

「…来て」

景斗くんに引っ張られるまま、観覧車乗り場に行った。

観覧車に乗ると、当時の思いが出てきた。

「こ、怖い…」

「そうだよな、ごめん」

「大丈夫だよ、景斗くんが居てくれるから」

景斗くんは少し笑ってから、視線を落とした。

「お前、覚えてる?怖がったお前に俺が何をしたか」

景斗くんがわたしに何をしたの?

「な、何?」

「それは、な……」

ちゅっ。

リップ音に気をとられ、何が起こったか分からなかった。

キス……。

そうだ!

あのとき、キスされたんだ!!

「……って、ええ!!」

「やっと思い出したのか。怖くなくしてって言われて、なんかしちゃったんだよ」

そうだったんだ…。

じゃあ、それが本当のファーストキス。

ぼんっ!

意識しちゃって顔が赤くなってしまった。

「今さらかよ」

「だって…」
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