この溺愛、絶対ナイショです♡

ある日、プロデューサーにいきなり聞かれた。

「お前ら、恋したことあるか?」

全員が静まり返った。

「ある奴は手をあげろ」

手を挙げたのは景斗と瞬だけだった。

「他はいないのか?」

「遊びはいいんですか?」

「だめに決まってるだろ」

蓮らしい質問だな。

「そうか、いないか」

「…この答えを聞いて何になるんですか?」

冬真がゆっくり口を開けた。

「いや、恋愛ドラマのオファーが来たときに重要だろう。恋愛未経験では困るからな」

確かにな。

「無理にしろとは言わない。ただ落ちてみるのは悪くないということだ」

「スキャンダルはいいんですか?」

「それだけは勘弁してほしい」

落ちてみるってどういうことなんだろう。

「落ちるって何ですか?」

「恋はするものじゃなくて、落ちるものだとよく言うだろ?」

そうなんだ。

恋愛未経験者の奴らは分かっていなかったみたいだ。

「景斗の恋愛話聞いたことないんだけど」

プロデューサーが退出すると、その話で持ちきりだった。

「温めてないで聞かせろよ!」

「嫌だ」

「景斗って幼なじみと同棲してるんだろ」

「ああ」

瞬がさらっと聞いて、景斗も普通に答えていた。

既にスキャンダルじゃね?
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