この溺愛、絶対ナイショです♡


「初事実なんですけどー」

「てか、なんで瞬が知ってるんだよ」

「相手の子、可愛い?」

「付き合ってるの?」

質問攻めにあっている景斗は机を叩き、キレた。

「うるさいっ!俺たちは付き合ってねぇ、これでいいだろ」

ふてくされたような表情で言い放った。

「付き合ってないのに同棲ってなんだよ!!」

「あり得ねぇ」

「僕たちを裏切りやがって!」

「おのれ、リア充」

みんなが文句を言っているのはお構い無しに冬真は新曲の歌詞を眺めていた。

「冬真は興味ないのか?」

「…ない」

冬真はみんなと馴れ合わないタイプだった。

でも、唯一のツッコミ役なので冬真の存在に感謝している。

「……巧海は混ざらないのか?」

「僕も興味ないからいいよ」

「…そうか」

僕も冬真を見習って、歌詞を眺めた。

だけど、景斗のことが少し気になった。

「彼女のどこが好き?」

「可愛くて優しくて天使みたいな俺の女神なとこ」

「意味分かんないから」

「天使か女神かどっちかにしろよ」

景斗は今まで見せなかった顔をしていた。

恋する顔、とでも言おう。

羨ましいな…僕も恋したい。

なぜか、そう思ってしまったのだ。
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