この溺愛、絶対ナイショです♡


わたしは景斗くんと明日のシーンの練習をすることになった。


『ミサキ、俺の彼女になってくれねぇか?』

え、えーとっ。

『うん!』

レイはミサキを抱き寄せて、キス。

『……ん』

甘いよ。

こんな甘いキス、棚部さんにもやるのかな。

嫌だな……。

『俺の気持ちは変わらないから』

ドキッ。

セリフだって分かってるけど、胸がときめいた。

『愛してるよ、二葉』



ん?

「二葉じゃなくて、ミサキでしょ!ミサキ!」

「あー、悪い。つい二葉って言っちゃった」

「本番で言っちゃだめだからね?」

「分かってるよ」

景斗くんはわたしを抱き寄せ、もう一度キスした。

「愛してるよ、二葉」

「……っ」

「どう?あ、ちなみにセリフじゃないから」

わたしは景斗くんをぎゅっとした。

「わたしも愛してる」

「おう」



わたしは景斗くんが大好きな柚子茶を淹れた。

「俺さ、相手役の子を二葉だと思ってやってるんだ。
それだったら緊張しないし、気持ちが入れやすいから」

「そうなんだ」

演技だとしても棚部さんを好きになるっていうのは嫌だもん。

なんか失礼な感じはするけも、それはそれで嬉しいかも。

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