この溺愛、絶対ナイショです♡
わたしは気づいたら走っていた。
その場から逃げたくて、ただ走っていた。
こんなの見たくなかった、見たくなかったよ!!!
無我夢中で走っていると、誰かに腕を掴まれた。
振り返ると、腕を掴んでいたのは冬真くんだった。
冬真くんの息が切れていて、心配そうな顔をしていた。
「…平岡、大丈夫か?」
わたしは堪えきれなくて、ぽろぽろ泣き出してしまった。
「無理、みたい…。景斗くんが誰かとキスするなんて、わたし…っ」
冬真くんはわたしを抱きしめた。
「景斗くんはわたしのことを好きでいてくれるって分かってる…だけどっ…」
ただ抱きしめて、何も言ってこなかった。
「見るの、辛かった…」
わたしの話をちゃんと聞いてくれた。
それで心が少し軽くなったんだ。