この溺愛、絶対ナイショです♡
ひと気がない校舎裏に呼び出された俺はしばし待っていた。
しばらくして、平岡が来た。
「待たせてごめん!」
「…いや、いい」
「返事してもいい?」
「…ああ」
「ごめんないっ!わたし、景斗が好きなの。傷つくこともあるけど、景斗くんしかダメなの」
「…知ってた」
平岡が景斗のこと、すごい思ってることは知ってた。
「…でも、気持ちは嬉しかったよ。ありがとう、冬真くん」
微笑んでくる平岡にドキッとしてしまった。
くそ、こんなの反則だろ。
俺は思わず、平岡の髪を触ってしまった。
「…景斗に何かされたら言えよ」
「うん!」
彼女にしたかったな。
「…じゃあな」
「うん、今日はお疲れ様」
またスマホが鳴ったため、ポケットから取り出して画面を見た。
『話がある』
なんてタイミングなんだ。
景斗からだった。
どうせ平岡絡みの話だろ。
俺は景斗が待つ楽屋に戻った。