この溺愛、絶対ナイショです♡


景斗くんは廊下の壁を叩いた。

「…くそっ!!」

「景斗くん…」

「俺、アイドル失格なんだって」

「失格なんかじゃないよ!景斗くんは昔からずっとアイドルだったよ!」

景斗くんに抱き寄せられそうになった時、スタッフらしき人の声が近づいてきた。

見つかったらスキャンダルになっちゃう!

腕を引っ張られ、適当な部屋に隠れた。

「…ここどこ?」

「さあな」

「…みんなのところに戻ろ?」

「俺に何が足りてないんだ?」

景斗くんは苦しそうに呟いた。

「やっぱりこんな俺じゃ本当のアイドルになれないのか?」

こんな情けない景斗くん、景斗くんじゃない。

わたしは景斗くんをビンタした。

「…そんな風にうじうじ言ってるのがだめなんだよ?辛くても逃げちゃだめ。わたしがいるから、一緒に探そう」

景斗くんは無言でわたしを抱きしめた。

「…ありがとな」

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