この溺愛、絶対ナイショです♡


「瞬、話って何だよ」

「足りていないところについてだ。お前は分かったのか?」

「…分からない」

もしかしたら景斗はスター性があると思っていて、気づいていないのかもしれない。

確かにスター性がないわけではない。

だけど、『perfect』のスター性に比べたらないに等しい。

『perfect』は自分が主役、自分が輝いている。

そう思っているだろう。

一方、僕らは『rainbow』が主役、『rainbow』が輝いている。

と、グループでくくってしまっている。

それではだめなんだ。

まず一人一人が輝かないことにはグループが輝かない。

それを景斗に伝えたいんだ。

足りていないのはスター性だ、というのもアリだと思う。

でも、これはリーダーの景斗自身が分からなきゃいけないと思う。

あえて、遠回しで言ってみた。

「僕らに足りていないのは輝きだよ」

「は?」

「景斗はステージの自分をどう思う?」

「別に何も思わない」

「郁はな、自分が一番だって考えてる」

景斗は難しい顔をして、何かを考えていた。

そして、ぱっと明るい顔になった。

「そうか!俺に足りてないのはスター性なんだ!自分こそ主役だって、考えてもなかった」

そうだよ、景斗。


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