この溺愛、絶対ナイショです♡
「景斗くん、頑張ってね!」
「ああ。二葉のキスがあればもっと頑張れるのに」
「もう、みんな居るでしょ!」
「どうせ見てないって」
目の前で茶番を繰り広げるのは景斗と二葉ちゃんだ。
今日は僕ら『rainbow』の三連続ライブの初日だ。
二葉ちゃんは景斗に連れられてきたみたいだ。
旅館も一緒に泊まるらしく、二人でいちゃいちゃするんだろうなと思っている。
なんかムカつくから夜にメンバー全員で景斗の部屋へ押しかけるつもりだ。
まあ、それはさておき。
本番前はすごく緊張する。
慣れっこのはずなのに、緊張するなんて自分でも驚いている。
みんなの前ではお兄さんキャラを保っているけど、実際はまだまだ子どもだ。
喜怒哀楽が激しい部分もある。
「瞬、大丈夫か?」
心配してくれたのは歩だった。
こいつは気遣いが出来る奴で優しい。
でも、いわゆるツンデレなのでなかなか素直になってくれない。
「ああ。それにしても緊張するな」
「そうだな」
僕と歩はライブスタジアムを見上げた。