この溺愛、絶対ナイショです♡
「何あれ」
「本当に景斗か?」
「変な生き物にしか見えねぇ」
レッスンに行ったのはいいものの、さっきのダメージが強すぎて立ち直れていない。
俺が悪いのにこんなに落ち込むとは思ってなかった。
どんだけ二葉のことが好きなんだよ…。
「そんな景斗くんに良いこと!」
巧海の言葉で顔をあげた。
「僕らと飯行こう!」
「うん」
元気付けようとしてくれてるのは分かってる。
だけど、笑えないんだ。
「景斗の好物、肉じゃが!」
「美味しいだろ?」
「…ああ」
美味しいけど、二葉のには負けるよな。
あいつのは温かみのある感じで、母さんの肉じゃがそっくりだった。
「最近さ、郁が景斗に会いたいって言ってくるんだよ」
「あれがあったから?」
「うん。自分も力になりたいってさ」
「ありがとう…でもこんな俺じゃあ…」
長井さんに絶望される。
アイドル以下、むしろ一般人よりも輝きのない俺なんてダメ人間だよ。