この溺愛、絶対ナイショです♡


「一回会ってくれないか?」

「ああ、分かった」

本当にいいのかな?




俺は瞬に連れられて、長井さんの家に行った。

心は興奮ぎみなんだけど、上手く表情に出せない。

「じゃ、僕はここで」

「うん、ありがとう」

長井さんの家は立派だけど、シンプルな家だった。

いかにもスマートな長井さんぽい家だ。

「あの、話ってなんですか?」

「僕はね、瀬川には輝いていて欲しい」

俺は唇を噛んだ。


「…もう無理なんです。あいつを失った俺を奮い立たせる原動力がないんです…」


「そうかな?原動力なんていくらでもあるよ。
例えば、ファンのみんな。確かに今回の件で減ったかもしれない。
だけど、ファンでいてくれる人は瀬川の復活を待っている」


俺の復活を待っているファン…。


「彼女もその一人だと思うよ。
君のために自分でも葛藤してたと思うよ」

二葉が?

「表には出さないと思うけど、あの子は君のことを最優先にしている。
話したのは一回だけど分かったよ。君のことを一番大切にしているってね」

あいつ、そんな素振りなかった。
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