この溺愛、絶対ナイショです♡


「二葉、これ見て」

お母さんが見せてきたのは週刊誌だった。

「本当は景斗くんに口止めされてたんだけど、二葉が可哀想だから」

お母さんが開けたページには、わたしと景斗くんがキスしてる写真が載っていた。

「これって…クリスマス?」

そうだ、このツリーは。

あのとき、撮られてたんだ。

「景斗くんはね、二葉がこれを知ることで自分を責めるんじゃないかって心配してたのよ」

景斗くんはこれを一人で抱えてたの?

わたしに何も言わず、一人で。

「なんで!?わたしのことは良いんだよ。なんで、景斗くんは黙ってたの!?」


「それはね、あなたのことが大切だからよ。二葉は優しい子だからこれを見て、傷つくと思ったのよ。だから言わなかった。
自分のせいで大事な子を悲しませたくないからね」

そんなの自分勝手だよ。

わたし以上に景斗くんが傷ついたんでしょ?

こんなのスキャンダルだから、最盛期のアイドルにとっては痛手だよ。

相談してくれればよかったのに、言ってくれないなんて酷い。

それこそ酷いよ。

わたしたちは恋人である前に幼なじみで、ほぼ家族みたいなものなんだよ?

それなのに相談してくれないなんて、あんまりだよ。

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