この溺愛、絶対ナイショです♡



景斗くんと約束したあの日。

わたしは景斗くんの両親のお墓に行った。

お花を持ってなかったから、そこら辺で摘んだコスモスを置いたっけ。

「景斗くんのお母さん、お父さん。
わたしが景斗くんを幸せにします。
景斗くんの隣で支え続けます。
だから、景斗くんを見守っていて下さい」

そう誓ったのに。







わたしは結局、それを果たせなかった。

お墓参りを終えると、笑い声が聞こえた。

誰?

見ると、景斗くんがいた。

なんで居るの?

「景斗、くん?」

今、会いたくなかった。

わたしは涙を拭った。

「どうしてここに…?」

「こっちのセリフ」

あの日と同じで冷たかった。

「あ、そっか…。わたしは最後のお参りに来たの。でも、これで最後だからっ。ごめんね」

これ以上ここにいたら泣いてた。

わたしは景斗くんから逃げるように坂を下りていった。



なんでかな。

それでも会えて嬉しいと思うなんて。

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