この溺愛、絶対ナイショです♡

俺は男性人気アイドルランキングで長井さんに勝てない。

いや、全てにおいて勝てていない。

男性人気アイドルランキングで俺は毎年二位止まりだ。

今年こそは抜いてやる。

そう思うけど、俺にまだ足りていないものがある気がする。

そう思うのは前に長井さんに言われたからでもあった。



高一の夏、俺は長井さんに初めて会った。

『perfect』など一流のアイドルが揃うアイドルフェスのこと。

出番を終えた俺たちに長井さんが声をかけてくれた時は飛び上がるぐらい嬉かった。

「rainbow、だよね?すごいパフォーマンスだね、特に瞬、君が一番だよ」

「そうか?俺は景斗の方がいいと思うけどな」

長井さんは俺をじっと見た。

「…君には決定的な何かが足りてない」

そう言われて、初めは頭が働かなかった。

「これから見つけていけばいいさ」

笑顔で言われたけど、悔しくて仕方なかった。
< 81 / 258 >

この作品をシェア

pagetop